なんぞそれ?

制酸薬とは?

制酸薬とは、胃酸を中和する塩基性化合物をいいます。
胃酸は、胃液の中に含まれる消化液の一種で、強い酸性をもっています。
酸性度で示すと、pH1~2という強力な酸性です。
胃酸は、食物繊維など消化しにくいものを柔らかくしたり、体内に取り込まれた食物の消化を行うとともに、食物と一緒に体内に侵入してきた様々な菌を殺菌する役割も担っています。
胸やけを起こしたり、気分が悪くて戻したりしたときに、酸っぱいものが胃から上がってきたという経験を持つ方もいると思います。
その酸っぱいものの正体が、おそらく胃酸なわけです。
胃酸は適量に分泌されれば、消化を助け、殺菌効果を発揮し、とても重要なものですが、人によっては、胃酸の分泌量が少なく、消化能力が弱い人や、逆に、胃酸が多量に分泌される胃酸過多という胃の病気になる場合もあります。
胃酸過多になると、食べ物が胃腸に入った消化の時以外でも、胃酸が分泌されるようになってきます。
つまり、空腹時などにも胃酸が出てしまいます。
そうなると、酸性の強い胃酸が、胃の粘膜を荒らして、胃痛を発症したり、胃もたれや胸やけといった不快な症状が出てきます。
また、飲食時には、げっぷが出やすくなったり、胃酸の酸っぱい臭いが口臭となって表われたりと、周囲の人がどう思うだろうと気になるような症状にも見舞われることがあります。
さらに、最近、罹患する人が増えている、逆流性食道炎も、胃酸過多が1つの原因と考えられています。
胃酸が出すぎて、胃から食道へと胃酸が逆流することによって、食道が炎症を起こす病気で、これにより、食欲不振が起きたり、慢性的に気分が優れなかったり、咳や喉の痛みが生じることもあります。
こうした胃酸過多による不快な症状に効果を発揮するのが、制酸薬です。
制酸薬には、過剰に分泌された胃酸を中和して、胃内のpHを上昇させて酸性を弱めたり、ペプシン活性を低下させて胃粘膜を保護する役割があります。
胃のpHは4 ~ 5.5に保たれるのが、バランスのとれた健やかな状態とされているので、これに近づくよう、制酸薬を用います。
制酸薬としては、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム(いわゆる重曹)、などが用いられます。
この点、炭酸水素ナトリウムには、即効性があり、効き目が早くて、爽快感がもたらされますが、持続性が短いのが難点です。
また、胃酸を中和していく過程でCO2を発生するため、逆に胃酸の分泌が促進されてしまう場合もあります。
最近、過剰に分泌する胃酸をコントロールして、胃痛や胸やけ、むかつき、もたれなどを改善する医薬品には、H2ブロッカー薬が含まれているものを多く見かけるようになりました。
H2ブロッカー薬とは、H2とは、2番目に発見されたヒスタミンのことを指しているのですが、このヒスタミンは胃の細胞壁に存在し、胃酸を分泌する役割を担っています。
その機能が過剰に働いてしまっている症状をブロックするので、H2ブロッカーと命名されたようです。
胃酸過多でお悩みの方は、こうした制酸薬を適度に用いつつ、夜寝る間際の重たい食事は避け、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎなどを控えるなど、食生活を改善し、食後は、きちんと食休みをとるなど、日常生活も整えて、胃酸の分泌が適正にコントロールできることを目指しましょう。